デリヘルを始めてみよう

 *以下は、2014年4月に開催された第一回セミナーの模様を収録したものです。


 皆さん、こんにちは。助兵衛です。

 今日は、すけナビのセミナーの第一回目ということで、「デリヘルを始めてみよう」なんていう、いきなりインパクトの強いタイトルにしました。
 このセミナーは、主に大学生、そして特に今回は女子大生を対象にしていますが、そうじゃない方からも参加申し込みが多数ありました。でも、人数の関係で、希望者全員に来ていただくことができませんでした。参加できなかった方たちからは、ライブ中継して欲しいという声もあったのですが、設備の関係でできませんでした。本当に申し訳ありません。
 それで、その方たちへの償いの気持ちも込めてですが、私のホームページのコラムのコーナーに、今日の原稿を全文じゃないかも知れませんが載せてもらうことにしました。ですから、そういう方は、ぜひホームページをチェックしてみてください。また、今日ここに来ている人で、参加できなかった知り合いがいるよという人は、教えてあげてください。

 さて、前置きはこれぐらいにして、中身に入っていこうと思います。みなさんは、デリヘルって聞いて、どう思うでしょうか? どんな印象を持つでしょうか?
 すばらしい、あこがれの職業だ、なんてイメージの人は、あまりいないんじゃないかと思います。女性の中には、世間にそんな職業があるのは知っているけれど、自分はしたくないなって人が多いんじゃないかと思います。
 男性の人、お世話になっている人はたぶんこの中にもいると思いますが、今もし手挙げてって言っても、堂々と挙手できる人はほとんどいないと思います。
 今日の話は、デリヘルへの勧誘じゃありません。あるいは、宣伝でもありません。私はデリヘルの店から何かもらっているわけではありませんし、もらうつもりもありません。もちろん、経営者でもありません。ですので、業界とは利益関係はありません。
 ただ、デリヘルで遊んでみたい、あるいは働いてみたいけど勇気が出ない人、後ろめたさを感じてしまう人たちに対して、そんなことないよってことを伝えたいのです。

 デリヘルって、どんな仕事をするか、ご存じでしょうか?
 簡単に概略を説明します。既に働いたり遊んだりしている人は、適当に聞き流してください。
 女性はデリヘルを派遣しているお店に登録します。選考方法は主に面接です。だから、学歴とか職歴とかはあまり重要じゃありません。容姿は若干は影響してくるでしょうが、それだけでもありません。このあたりはまた詳しく後から話しましょう。
 遊びたいと思った男性は、お店に電話をします。このとき、どんなタイプの女性と遊びたいか、どんな遊びをしたいか、自分の希望を伝えます。たとえば、女子大生風で小柄な子、清楚な感じを希望、という感じですね。女子大生風っていうのは、説明になっていないかも知れませんが、まあ、だいたいの年齢層は伝わると思います。もちろん、過去に同じ店を利用したとがあって、そのときの女の子が気に入ったので再度派遣して欲しい場合には、指名することもできます。ただし、指名料は有料のところがほとんどです。
 お店は、このリクエストに沿った女の子を選び、お客さんところへ派遣します。このとき、お客さんが何を重視しているのかを正確に理解し、それに合わせた女の子を派遣できるかどうかが勝負どころです。ここを外してしまうと、お客さんからの評価を下げてしまいます。
 派遣する女の子が決まったら、送迎ドライバーに送迎してもらいます。送迎は基本男性スタッフが行います。だから、デリヘルで働いているのは女性だけじゃないんです。男性のドライバーがいないと、成り立ちません。一部、経営者が電話の受付も送迎もしているところはあるようですが。
 ドライバーがお客さんの居場所を詳しく確認し、女の子を車で送ります。まさに女の子をデリバリーするわけですね。そこから、デリバリーヘルス、略してデリヘルなわけですよ。
 女の子はお客さんの家またはホテルの客室に入り、お客さんと二人っきりになります。ここから、指定された時間は二人で遊ぶことになるのです。
 やることはだいたい同じで、まず二人でシャワーを浴びます。この時点で、二人とも全裸です。シャワーでは、これから触ったり舐めたりする部分を中心にきれいに洗いましょう。その後、ベッドに移動して、二人でくっついて、キスしたり、体を触ったり舐めたりして、最後にお客さんが射精するのを女の子が口で受け止め、終了です。基本プレイとして、全裸を見せること、触らせること、キス、フェラチオ、口内発射などがあり、これらは女の子から拒否できません。このあたりは絶対にしなければならないと思ってください。男性は、してもらえると思ってください。
 このほかに、オプションとして、バイブとか、コスプレとか、お客さんが見ている前でおしっこをする聖水とか、顔面に向けて射精する顔射とか、お客さんが口の中に射精した精液を飲み込むごっくんとか、他にもいろいろなものがありますが、これらは女の子が嫌なものを予めお店に伝えておけば拒否できますし、お客さんも派遣を依頼する際に、オプション希望があれば伝えておかなければなりません。突然のオプションはNGです。オプションには、それぞれに金額が設定されており、有料です。
 プレイが終わると、時間が来るまでは二人でお話ししたりして過ごしますが、時間が来ると女の子は退室し、迎えの車で帰ります。お店に帰ることもありますし、次のお客さんのところへ行くこともあります。勤務時間の希望などがある場合は、それを予め申し出ておくこともできますので、そうすると、その時間には解放してもらえます。
 男性は、気持ちよくなった余韻が冷めないうちに、お休みください。

 まあ、ざっとこんな感じで流れていくわけです。お客さんの中には、女を知らない童貞くんから、孤独な老人まで、様々です。常に性欲旺盛な人がお客さんとは限りません。孤独な老人の場合、時間いっぱい話しているだけでおしまいなんてこともあります。介護のヘルパーさんとは、そんなにゆっくりお話しすることもできません。かといって、子供や孫もいない。それでデリヘルをっていう人も多いですし、きっとこれからこういった利用も増えると思います。

 ここまで聞いて、もう嫌だっていう人もいると思いますし、逆にちょっと興味が出てきた人もいると思います。お金のことも話しておいた方が良いでしょうね。料金は安いところで1時間1万円前後、高いところで2万円から3万円程度です。高級店をうたっているところは、金額も高めです。このうち半分ぐらいが、女の子の取り分だと考えてください。つまり、安くても時給5千円のアルバイトです。
 どういう人が働いているか、ですが、女子大生、フリーターもいますし、他の仕事と掛け持ちの人もいます。昼間はショップ店員やOLをしていて、夜はデリヘルでアルバイト。多くはないですが、保育士や看護士もいます。特に非常勤とかパートタイムで収入の少ない人たちが、副業で働いています。拘束時間が少なく、ある程度の金額を稼げるという点では、デリヘルは好条件なのです。考えてみてください。ファミレスとかコンビニとかで、こんな金額を稼ぐのにどれだけ時間がかかるかを。ファミレスでバイトしている人の月収と、デリヘルで働く人の日給が同じなんてことも、夢ではありません。
 デリヘルで働いている人たちの中には、ただ何となくもらえるお金が多いからという理由で働いている人もいるでしょうが、たいていの場合、何らかの目標を持っています。海外留学に行きたいとか、何かの資格を取りたいとか、買いたいものがあるとか、そういった目標のために、がんばって日々努力をしているのです。

 世間では、デリヘルをはじめとした風俗業界で働いている人を悪く言う人たちがいます。とても残念です。何が悪いのでしょうか?
 皆さんの中で、そういった業界に一生お世話にならないと断言できる人はいるでしょうか。風俗に行かない、AVも見ない、エロ本も読まない、そんな人がいるのでしょうか?
 人間には、誰もが持っている基本的な欲求があります。睡眠、食事、もう一つが性欲です。性別や年齢を問わず、誰もが持っている性欲に対して、それを満たすための職業が、風俗なのです。胃袋を満たすファミレスが良くて、性欲を満たすデリヘルは悪い、なんていう意見は、矛盾していて身勝手なものと言うほかありません。
 世間にそういう職業があるのは良いが、自分や自分の身近な人にはして欲しくない、なんていう意見もあります。これこそ、エゴの塊みたいなものです。ゴミ処理場は必要だが自分ちの近所には作って欲しくない、というのと一緒です。
 性欲は自分で処理しろ、というなら、ファミレスに行く人たちに、自分で作って自宅で食べろって言いますか?
 社会学では、これまで家庭内で収まっていたことが外部の専門機関によって担われるようになることを外部化というそうです。家事労働の外部化が、今では進んできています。掃除をハウスクリーニングの業者にしてもらうとか、洗濯をクリーニング屋にしてもらうとか、調理を総菜屋にしてもらうとかですね。その代わり、その業者に対してお金を支払う。現代はそういう社会だというのですが、デリヘルもまさにその一つです。
 それに、世間の人に評価してもらうために働くんじゃない。自分のために働くわけです。お金が欲しいから働くわけです。その手段は、自分が納得できるものであれば、何でもかまわないでしょう。
 経済学的な話をしてみたいと思います。私たちの社会は、交換によって成り立っています。その根本は物々交換です。
 たとえば、米をたくさん作った百姓がいたとして、今夜は魚を食べたいなと思ったとします。一方、魚をたくさん捕ってきた漁師がいたとして、今夜は米を食べたいなと思ったとします。この二人が互いに米と魚を交換することで、両者は希望を実現することができますね。これが物々交換です。お金なんて要りません。
 じゃあ、なんでお金が要るかって言うと、魚は生のままで何日も保管できないし、米は重くて一度にたくさん運ぶのが難しい。それで、それぞれをいったんお金に換えてしまって、そのお金を持って欲しいものと交換する、という仕組みを作ったんですね。これが貨幣経済です。はい、これ、経済学の入門講座より値打ちがありますね。
 こうした交換をする場が市場です。百姓は米を市場まで持って行き、そこでお金に換えて保管する。漁師も魚を市場に持って行き、そこでお金に換えて保管する。自分が持ってきたものを売ってお金を手に入れ、それを今度は、自分の欲しかったものと交換して、欲しいものを手に入れて持って帰る。こうして市場経済は成り立っているのです。つまり、何か欲しいものを手に入れるときには、自分が最初に何かを差し出さなければならない、ということなんです。
 では、自分が手に入れたいものの代わりに自分に何が差し出せるの? 働くという問題を考えるときには、まずここを考えておかなければなりません。これを考えておかないと、訳の分からない、不本意な仕事を選んでしまうことになります。
 開発者や研究者は知識やアイデアを提供します。技術者は技術を提供します。労働者はというと、総じて言うならば、労働力を提供しています。自分の体を好きなように使う権利を会社に差し出し、その対価として給料をもらっているのです。低賃金のアルバイトは、まさにこのあたりです。これが専門職などになれば、労働力に知識や技能といった付加価値が付くので、報酬が高くなるのです。
 こうした給料や報酬の額を決めるのは市場です。自分が自分の働きには時給千円の値打ちがあると思っていても、相手がそう思わなければ取引は成立しません。だけど、時給千円払ってでもあなたを欲しいんだっていう相手が現れれば、取引に応じてくれるでしょう。こうやって価格が決まるのです。もっとも、需要と供給の関係といった、もう少し難しい話もありますが、今日はとりあえず経済学入門講座が本題じゃないので、ここではこれぐらいにしておきます。

 デリヘルで働く女の子たちが差し出すのは何なんでしょう? 若さ、美貌、その他、どれでもあるかも知れませんが、一番に言えるのは癒やしなんじゃないかと思っています。
 お客さんの中には、単に性的快楽を得たいだけの人もいます。でも、なぜ一人でオナニーをしないで、わざわざ高いお金を払ってまでデリヘルを利用するのか、考えてみたことはありますか? 寂しいからです。癒やされたいからです。孤独な老人と基本は同じです。
 ということは、お客さんの寂しさを埋めてあげることが、デリヘルに求められることだと思いませんか?
 看護師さんは病院でしか会えない、介護ヘルパーさんは介護をしてもらっている間だけ、でも、デリヘルならじっと寄り添っていてくれる。孤独な老人たちは、そうやってデリヘルを申し込んでいるのです。
 そういう意味では、これからの高齢社会を考える上で、重要な役割だと思いませんか?
 これでもなお、デリヘルは恥ずかしいとか、後ろめたいとか、言えますか?

 自分の身体を差し出すわけですから、その分の報酬も大きい。ただそれだけなのです。
 デリヘルは売春ではありません。届出を行った店に登録し、そこで働くのは合法的です。中には、お客さんから頼まれて、あるいは自分から申し出て、こっそり本番行為をしている人もいるようですが、これは違法です。デリヘルでは本番行為、つまりセックスはできません。コンドームの有無は関係なく、禁止されています。だから、妊娠の心配もありません。万が一、お客さんから強引に押さえつけられて強要された場合には、犯罪になりますから、遠慮無くお店に言いましょう。
 お店は女の子を守ってくれます。なぜなら、お店にとって女の子は商品だからです。女の子がいなければ、お店は成り立ちません。
 それに、お客さんの家に行くわけですから、相手の身元も割れています。何かあっても、すぐに対応できますし、そんな状況で何かしてくるお客さんもいません。
 デリヘルで拉致監禁、とかのニュースを、耳にしたことがありますか? 深夜のファミレスでバイトをしている方が、よほど危険なんじゃないでしょうか?

 最後に、デリヘルで働こうと思ったとき、自分にできるだろうかと不安な人も多いと思うので、そのあたりを話しておこうと思います。
 面接では年齢とか容姿とかも大事ですが、特に大事なのは、お客さんに癒やしを提供できるかどうかというところです。大切なのは、技術力ではありません。技術力を求める男は、デリヘルでは遊びません。疑似恋人感覚、肌の触れあい、そんなものが求められます。だからこそ、コミュニケーション力が大切です。そして何より、やる気です。
 私は、どんな仕事をする上でもそうですが、自分が社会にどれだけ役に立ているかっていう考えを持つことが大事だと思っています。私たちは、誰かの幸せを願って生きています。そうでない人は、そうすべきです。自分のお金儲けのために働くのではなく、誰かのために仕事をして、その対価としてお金を受け取るのです。
 たくさんの男性たちをいやしてあげたい、幸せな気持ちにしてあげたい、そういう高い志こそが、デリヘルで働こうとする人たちに大切なことなんじゃないかと思っています。

 デリヘルで働こうと思っている皆さん、どうか一人でも多くの男性たちを幸せにしてあげてください。一人でも多くの男性たちに快楽を与えてください。
 デリヘルで働こうかどうか迷っている皆さん、決断するのは自分自身です。急ぐ必要はありません。でも、もし働こうと思うなら、自信と誇りを持ってください。決して後ろめたい仕事ではありません。勇気を持ってチャレンジしてください。
 デリヘルで働くつもりはないという皆さん、デリヘルで働いている人や遊んでいる人を悪く思うのはやめてください。特に働いている人たちは、何も悪いことや後ろめたいことをしているわけではないのです。偏見は捨てましょう。
 デリヘルで遊ぼうかどうか迷っている男性諸君、迷ってなんかいないで、遊んでから決めてはどうでしょう? 面白くなかったなら、今後は遊ばなきゃいいだけです。
 そして既に遊んでいる男性諸君、遊びすぎにはご注意を。


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