予備校時代の思い出

 これはまだ大学生になる以前、予備校に通っていた頃の話だ。そこでアルバイト(おそらくTA)をしていた女子大生と出会った。
 あの頃、わしはまだまだ幼く、初々しかった。精神は初心であり、肉体はまだ童貞だった。

 その女子大生は受験勉強の悩みなどを親身になって聞いてくれた。
 成績もいまいちで、予備校の講義でもついて行くのがやっとのところだったが、彼女からのフォローはとてもうれしかった。
 相談したいと申し出れば、講義後に時間を取ってくれた。
 面談ブースのようなところだったと思うが、テーブルを挟んで向かい合い、成績が上がらなくて困っていることや、大学に行っていろいろ勉強したいことを話した。
 講義ではないから、勉強のやり方などの具体的なアドバイスというよりも、受験勉強のこと、生活のこと、ストレスのことなどをアドバイスしてくれた。
 しかし、受験生で暗闇の世界にいた少年時代のわしには、彼女の存在それ自体が癒しだった。
 おそらくDかEぐらいのおっぱいが目の前にあった。谷間だけでもうかがおうと企てたが、防御が堅くうまくいかなかった。
 今だから白状するが、面談の後トイレに直行し、個室で抜いた。もちろん、彼女のことを想像してだった。
 彼女に合格を告げたとき、「おめでとう」といってくれた。すごくうれしかった。しかし、この祝福は同時に別離でもあった。
 その日を境に、彼女と会うことはなくなった。あの笑顔を見ることは叶わなくなり、あの声を聞くこともできなくなった。
 しかし、わしの心の中では、それから先もずっと彼女は生き続けおかずの一品であり続けている。
 わしを見送ったあと、彼女は帰宅するのではなく、男の家に行っていたのかも知れない。そこで、まだ未熟なわしが知らなかった大人の快感を満喫していたのかも知れない。
 しばらく後には、大学も卒業し、予備校の仕事も辞めてしまっただろう。今では誰か別の男に抱かれ、あるいは、すでに誰かの母親になってしまったかも知れない。
 だけど… もしも叶うなら、もう一度彼女と再会してみたい。
 女子大生だったあのときと同じ笑顔で、わしの前に現れてほしい。
 そして今度こそ、かけがえのない二人として、永遠を誓いたい。

  彼女の笑顔と優しさが、永久に続きますように…
  そしてそれらが、わしに降り注ぎますように…

  もうひとつ。彼女があの頃も今も処女でありますように…

  アーメン!


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